歯周病の原因
こんな症状はありませんか?
- 歯と歯の隙間が広がった(食べかすが詰まりやすくなった)
- ブラッシング時や硬いものを噛んだ時に、歯茎から血が出る
- 歯茎が赤黒く、指で押すとブヨブヨとしている
- 硬いものがしっかりと噛めなくなった
- 冷たいものや甘いものがしみる
- 歯根が露出している
- 歯がぐらぐらと動く
- 歯が長くなった気がする(歯茎が下がっている)
- 歯茎から膿が出る
- 口臭がする
歯周病が全身におよぼす悪影響
歯周病はもたらす悪影響は、口腔内に限ったものではありません。全身の健康にも様々な悪影響をおよぼす危険性があります。特に糖尿病、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産などは歯周病との深い関連性が認められており、さらには認知症とも深い関わりがあるとされています。つまり、歯周病を予防することは、こうした全身疾患を予防して、全身の健康を守ることに繋がるということですので、「たかが歯周病」と考えることなく、しっかりと予防に努めるようにしましょう。
歯周病と関連がある全身疾患
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 心内膜炎
- 脳梗塞
- 誤嚥性肺炎
- 早産・低体重児出産
- メタボリックシンドローム
- 骨粗しょう症
- 認知症
段階別の歯周病の治療
歯周病の進行はP1~4の4段階に分類することができます。各進行度合いに応じた治療方法をご紹介します。
P1(歯肉炎)
歯茎で軽度の炎症が起こり、出血しやすくなった状態です。歯周ポケットの深さは2~3mm程度で、まだ歯槽骨(歯を支える骨)は破壊されていません。
治療方法
ご自宅での適切なブラッシングなどのケアによって、歯周病の原因となる歯垢(プラーク)がきれいに取り除けるように、ブラッシング指導などを行います。
P2(軽度歯周炎)
歯茎の腫れが大きくなり、歯周病菌が歯根膜や歯槽骨を破壊し始めた状態です。歯周ポケットの深さは3~5mm程度です。口臭が発生したり、冷たいものがしみたりするようになります。
治療方法
ご自宅での適切なブラッシングなどのケアを継続するとともに、歯科医院でスケーリング・ルートプレーニングなどの治療を行います。
P3(中等度歯周炎)
歯槽骨の破壊が歯根の長さの半分程度まで進行して、歯がぐらぐらと動くようになります。歯周ポケットの深さは4~7mm程度で、歯茎から膿が出始めます。
治療方法
患者様の症状に応じて、フラップオペや歯周ポケット掻破術などの外科的治療を行います。また、必要に応じて歯槽骨の再生をはかる歯周再生療法を行う場合もあります。
P4(重度歯周炎)
いわゆる「歯槽膿漏」の状態です。歯槽骨がほとんど破壊されて、歯の動揺が激しくなります。放置すると、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
治療方法
基本的にはP3(中等度歯周炎)と同じ治療を行いますが、症状によっては抜歯を検討しなければいけない場合もあります。
ご自宅での歯周病ケア
プラークコントロール
歯周病治療は、ご自宅での適切なブラッシングなどのケアによる「プラークコントロール」が基本となります。歯ブラシのほか、歯間ブラシやデンタルフロスなどの清掃補助用具を使用して、きちんと歯垢を取り除くようにしましょう。適切なブラッシング方法につきましては、当院が丁寧にわかりやすく指導します。
歯科医院での歯周病ケア
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
ご自宅でのケアだけでは取り除けない歯石などの汚れを、「スケーラー」と呼ばれる専用器具を使用して除去します。その後、歯の表面を滑らかにして、汚れの再付着を防止します。
フラップオペ
ご自宅でのケアや、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)を行っても症状が改善しない場合などには、「フラップオペ」と呼ばれる外科的治療を行う場合があります。フラップオペとは、歯茎を切開した後、歯周ポケットの奥深くに付着している汚れを取り除く方法です。
歯周ポケット掻破術
歯周ポケット掻破術とは、歯茎を切開して歯根を露出させた後、歯垢や歯石などの汚れを除去する外科的治療です。
痛みの少ない歯周病治療
炭酸ガスレーザー
歯科用レーザー治療器は、従来の治療方法によって発生する痛みを最小限に抑えることが可能です。歯科用レーザー治療器のうち、炭酸ガスレーザーはレーザーメスとして、出血を抑え、少ない痛みで歯茎を切開して治療することができます。また、治療後の治癒を促進する効果も期待できます。
高周波治療
歯周ポケット内に高周波を当てて歯周病菌を殺菌することで、歯周病を改善させます。高周波治療器は、患部を効果的に殺菌して治療後の回復を早めるため、痛みの軽減が期待できます。