失敗しない「いい歯医者」の選び方
皆様は、歯医者を選ぶ時に何を基準に選ばれていますか?「腕がいい」「最新の治療を提供してくれる」などの治療にかかわることを基準に選ばれる方もいらっしゃれば、「医院の雰囲気」「自宅からの距離」などの治療の質とは無関係な部分で選ばれている方もいらっしゃるかと思います。歯医者選びの基準は様々です。それは、患者様の人数だけあると言っても過言ではないでしょう。しかし、医院の内装や通院の利便性などの基準だけで選ばれると、歯医者選びに失敗する恐れがあります。歯医者を選ぶ上で何よりも重要なこと、それは「歯科医師の経験・実績は豊富か」「最新設備は導入されているか」などの治療レベルにかかわる基準で選択することです。治療レベルの高い歯医者で治療を受けることは、そのままご自身の歯の健康や寿命に反映されます。反対に、治療レベルの低い歯医者で治療を受けることは、ご自身の大切な歯の健康を損なうこと繋がる危険性があります。私たちは、患者様に賢明な選択を行って頂き、末永く歯の健康を守り続けて頂きたいと思っています。歯医者選びに失敗して、歯の健康を損なってほしくはありません。そのため、ここでは「いい歯医者」を選ぶ時のポイント(基準)をご説明させて頂きます。
押さえておきたい歯医者選びのポイント
歯科医師の治療レベルが高い
歯医者選びにおいて、「歯科医師の腕」は非常に重要なポイントとなります。では、どうやって歯科医師の治療レベルを判断すればいいのか?例えば、大学を卒業して開業した後も、学会・講習会・勉強会などに積極的に参加したり、常にアンテナを張って最新の歯科医療の知識を高めたりするなどして研鑽を積んでいる歯科医師は、治療レベルの高い歯科医師であると言えます。また、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士など、歯科医療に従事している方が通院しているかどうかでも、歯科医師の技術力をはかることが可能です。実際に歯科医療に従事している方は、歯科医師の技術が「本物」であるかどうかを見極める「目」を持っていますので、そうした同業者が通院しているということは、その歯科医師の技術力が高いことの証明となります。
できる限り天然歯を残す治療を行っている
虫歯の治療などで一度削った歯は、二度と元にはもどりません。そして、削る量が多ければ多いほど歯に与えるダメージは大きくなり、かけがえのない天然歯を失いことにも繋がる恐れがあります。そのため、歯医者を選ぶ時には「できる限り天然歯を残す治療」を行っているかどうかがとても大切なポイントとなります。できる限り天然歯を削らずに治療を行い、どうしても削らなければいけない場合には、歯の侵襲を最小限の範囲に抑えるような治療を行っているところは「いい歯医者」であると言えます。
インフォームドコンセントが徹底されている
痛みなどの症状がある時に、今、自分の口腔内はどんな状態なのか、何が原因でそうした症状が発生しているのか、それに対してどのような計画で、どのような治療を行うかなど、丁寧にわかりやすい言葉で説明してくれるかどうかもまた、歯医者選びの重要なポイントです。こうして説明をしっかりと行い、患者様の納得と同意を得ることを「インフォームドコンセント」と言います。歯医者の中には、回転率を上げることを目的に「歯科医師主体」の治療を行うところもありますが、そうした歯医者にかかると「知らないうちに歯を削られていた」「十分な説明もないままに銀歯を入れられていた」などということも起こりえますので、インフォームドコンセントが徹底されている「患者様主体」の歯医者を選ぶようにしましょう。
予算や治療期間なども気軽に相談できる
治療開始前にカウンセリングにしっかりと時間をとり、さらに患者様とのコミュニケーションを重視している歯医者であれば、予算や治療期間などについても気軽に相談することができます。「できるだけ費用を抑えて治療を受けたい」「できるだけ短期間で治療を終えたい」などの要望が事前に伝えられるかどうかは、その後の治療の満足度に大きくかかわってきますので、事前のカウンセリング時に十分な時間をとってくれる歯医者を選ぶようにしましょう。
マイクロスコープを導入している
マイクロスコープとは「歯科用顕微鏡」のことで、対象物を最大20倍にまで拡大して見ることができるので、肉眼では確認できない小さな病変なども見逃さずに確認することができます。つまり、マイクロスコープを導入している歯医者であれば、精密で精度の高い治療が受けられるということです。特に最新の審美歯科治療を行う時は、マイクロスコープの使用は必須です。マイクロスコープを使用せずに前歯にセラミック治療を行ったりすることは、ある意味「自殺行為」に等しいとすら言えます。マイクロスコープとは、それくらい治療の質を左右する重要な機器なのです。だからこそ、歯医者選びの際には「マイクロスコープが導入されているかどうか」に着目するようにしてください。ただし、マイクロスコープの操作には熟練が求められますので、専門的なトレーニングを受けた歯科医師がいるところを選ぶようにしましょう。そうした歯医者であれば、よりレベルの高い治療を受けることができます。
症例数・実績が豊富
歯医者の中には、年間の症例数や実績が少ないところもあります。そうしたところで治療を受けると、イメージしていたよりも仕上がりがきれいでなかったり、余計な手間が生じて治療期間が長引いたり、費用がかさんだりすることがあります。一方、症例数や実績が豊富な歯医者であれば、無駄を省いたスピーディな施術で、低コストかつ満足のいく結果を得ることができます。なので、年間の症例数や実績などを確認して、「信頼できる歯医者」を選ぶようにしましょう。
コスト削減によりリーズナブルな価格を実現している
「高価格帯にもかかわらず治療レベルが低い」というような歯医者は論外ですが、「価格は安いが治療レベルも低い」という歯医者も中にはあります。できるだけ費用を抑えて治療を受けたいと思うのは当然のことですが、無理矢理ディスカウントした価格で治療を提供している歯医者で治療を受けると、満足のいく治療が受けられなかったり、治療後のアフターフォローが不十分であったりする場合があります。なので、リーズナブルな価格で治療を提供している歯医者のうち、無駄なコスト削減などの企業努力により低価格帯を実現しているところを選ぶようにしましょう。そうした歯医者であれば、低価格でありながら高品質な治療を受けることができます。
スピーディな施術で短期間で治療を完了する
「歯医者の治療は長い」と思われている方も多いのではないでしょうか。何度も通院しなければいけないことを億劫に思い、歯医者に足が向かないという方もいらっしゃるかと思います。しかし、「歯医者=治療期間が長い」とは限りません。高い技術力を持つ歯科医師がいて、スピーディに質の高い施術を行えば、短期間で治療を終えることは可能です。大切なのは、腕のいい歯科医師がいる歯医者を選ぶことです。そうすれば、歯医者に通うことが面倒でなくなり、より積極的に歯の健康維持に努めることができるようになります。
痛い箇所(症状がある箇所)だけでなく全体を診る
痛み・腫れ・しみなどの症状が発生するのには、何か原因があります。そうした症状を緩和する対症療法も大切ですが、それだけでは不十分です。症状の原因を根本から改善する治療を行わなければ、治まった症状が再発する可能性があります。なので、歯医者を選ぶ時には、痛みなどの症状がある部分だけでなく、口腔内全体を診て、症状の原因を追求したり、今後、どんなリスクが潜んでいるかなどを確認・説明したりしてくれるところを選ぶようにしましょう。歯1本単位ではなく、1口腔単位で診てくれる歯医者。これもまたいい歯医者の条件です。
幅広い治療に対応している
保険適用の一般歯科治療はもちろんのこと、セラミックやホワイトニングなどの審美歯科治療、矯正治療、入れ歯治療、予防歯科治療など、幅広い治療に対応しているかどうかも、いい歯医者を選ぶ時の重要なポイントとなります。幅広い治療に対応していれば、口腔内の健康管理をトータルに任せることができます。また、ご自身の状態に合わせて臨機応変に対応してもらうこともできます。ただし、「広く浅い歯医者」ではなく、「広く深い歯医者」を選ぶことが重要です。治療メニューが豊富だからといって、その歯医者が患者様の希望する治療を苦手としていては意味がありません。各治療に対して専門的な知識・経験・実績を有している歯医者を選ぶようにしましょう。
衛生管理が徹底されている
患者様に安心・安全な治療を提供する上で、治療器具の消毒・滅菌などの衛生管理は欠かせません。この衛生管理が徹底されているかどうかも、いい歯医者選びの重要なポイントとなります。使用した治療器具を消毒・滅菌したり、うがい用の紙コップやエプロンなどの滅菌できないものをディスポーザブル(使い捨て)化したりするのはもちろんのこと、高いレベルで消毒・滅菌していたり、ラバーダムを使用していたりする歯医者は「いい歯医者」の条件を備えていると言えます。また、消毒・滅菌だけでなく、待合室やお手洗いなどの院内施設は清潔に保たれているか、除菌器を使用して衛生的なスリッパを提供しているかなど、細かな部分からもその歯医者の衛生管理に対する意識をはかることができます。
スタッフの対応がよい
スタッフの対応は、その歯医者のレベルを映す「鏡」であると言えます。お越し頂いた患者様に対して丁寧な対応をとらなかったり、簡単な質問にも答えられなかったりするようなスタッフがいる歯医者は、いい歯医者とは言えません。いい歯医者は、決してスタッフ教育を怠らないからです。ご予約を承る時や、お会計を済ませる時などに、患者様が気持ち良いと感じる対応ができるようにトレーニングを受けています。また、歯科医療の知識に関しても、歯科医師だけでなく、スタッフ全員で院外の講習会に参加するなどして、医院全体のレベル向上をはかっています。このようにスタッフの対応からも、その歯医者がいい歯医者かどうかを判断することができます。
予約すれば待ち時間がほぼない
歯医者に行くのが億劫な理由の1つに、「待ち時間が長い」というものがあります。しかし、いい歯医者の場合、スピーディに施術を行って治療時間を短縮させるなどして、「予約すれば待ち時間がほとんどない」という状況を実現させています。このように、予約時の待ち時間からも歯医者のレベルをはかることが可能です。ただし、ただ急いで治療しているだけでは駄目で、無駄を省いた効率の良さと、治療の質の高さが両立している必要があります。
万全のアフターフォロー
治療レベルの高さだけでなく、治療後のアフターフォローが万全かどうかからも、その歯医者のレベルをはかることができます。もちろん、アフターフォローが万全な歯医者の方が、いい歯医者であると言えます。例えばセラミック治療の場合、オールセラミックなどの白く美しい歯を入れればそれで終わりというわけではありません。入れた歯を長期間、快適に使い続けるためには、治療後のアフターフォローが重要となります。
予防歯科に力を入れている
治療により良好な状態となった口腔内を維持するためには、定期メンテナンスやPMTCなどの歯のクリーニングを受けることが大切です。そうすることで、虫歯などの病気の再発を防止することができるようになります。なので、歯医者を選ぶ時には、「予防歯科に力を入れているかどうか」もポイントとなります。豊富な予防メニューを取り揃えている歯医者は、それだけ予防歯科に力を入れている証拠ですので、安心して口腔内の健康管理を任せることができます。
治療別の歯医者選びのポイント
虫歯の治療
虫歯の治療を受ける時、最も気になるのが「痛み」ではないでしょうか。治療にともなう痛みが怖いために、歯医者に行けないという方も少なくありません。なので、虫歯の治療を受ける時には、その歯医者が「無痛治療」を行っているかどうかがポイントとなります。治療にともなう痛みをできる限り抑えるために局所麻酔を使用するほか、麻酔注射時の痛みも抑えるために、表面麻酔や針のない麻酔器を使用したり、切削・切開時にレーザー治療器を使用したりするなど、無痛治療を実施している歯医者を選ぶようにしましょう。そうした歯医者であれば、痛みが苦手な方でも安心して治療を受けることができます。
定期メンテナンス・クリーニング
定期メンテナンスや、PMTCなどの歯のクリーニングにより、虫歯や歯周病などの病気を予防したいとお考えであれば、予防歯科に力を入れている歯医者を選ぶようにしましょう。豊富な予防メニューを取り揃えている歯医者は、それだけ予防歯科に力を入れている証拠ですので、安心して口腔内の健康管理を任せることができます。また、PMTCなどの院内でのケアだけでなく、ブラッシング指導やケア用品の選定のアドバイスなど、ホームケアの精度向上にも力を入れているところを選ぶようにしましょう。そうした歯医者に通院していれば、歯医者でのプロケアと、ご自宅でのホームケアの両方で適切に歯を病気から守ることができるようになります。
前歯の審美歯科(セラミック)治療
セラミック治療を受けられる方は、その歯医者がマイクロスコープなどの最新機器を導入しているかどうか確認するようにしましょう。マイクロスコープとは歯科用顕微鏡のことで、最大20倍まで拡大して、肉眼では見えない細かな部分もしっかりと確認することができます。セラミック治療においては、寸分の狂いもなく精密かつ正確にセラミックを装着させることができるようになります。セラミック治療のうち、特に前歯にセラミック治療を行う時に、マイクロスコープを使用しないことはある意味「自殺行為」に等しいとすら言えます。それくらい治療の質を左右する重要な機器ですので、自然で美しい歯を手に入れるためにも、前歯のセラミック治療を受ける時にはマイクロスコープを導入している歯医者を選ぶようにしましょう。
前歯の審美歯科(セラミック)治療について詳しく知りたい方は、こちらの前歯のセラミックのページもご覧下さい。
奥歯の審美歯科(セラミック)治療
セラミック治療とは、主にオールセラミックなどの天然歯と比べても遜色のない白く美しい歯科素材を入れることで、口腔内の審美性や機能性の改善をはかる治療です。ただし、健康保険が適用されないため、費用を抑えるために「人目につきやすい前歯にはセラミックを入れ、奥歯には銀歯を入れる」という方もおられますが、これは必ずしも賢明な選択とは言えません。前歯と比べて奥歯は人目につきにくいと言っても、口を開けて笑った時に銀歯の金属色が目立ってしまう場合がありますし、銀歯によって金属アレルギーが引き起こされてしまう危険性があります。なので、奥歯であっても、審美性が高く、体に優しい歯科素材であるセラミックを入れられることをおすすめします。そして、奥歯は他の歯と比べて噛む力が強いため、オールセラミックのうち最も強度が高い「ジルコニア」がおすすめです。このように、入れる部分によって適切なセラミックは異なりますので、豊富な種類のセラミックを取り扱っている歯医者を選ぶようにしましょう。
奥歯の審美歯科(セラミック)治療について詳しく知りたい方は、こちらの奥歯のセラミックのページもご覧ください。
前歯だけの部分矯正
前歯だけの部分矯正は、歯列全体に対する矯正治療よりも低価格・短期間で治療が受けられます。歯列全体に対する矯正治療の場合、通常、80~100万円程度の費用がかかりますが、部分矯正であれば低価格で治療を受けることができます。また、通常3~5年程度の治療期間を、3~6ヶ月程度にまで短縮することが可能です。しかし、矯正治療は信頼できる歯医者で受けることが大切ですので、部分矯正の症例や実績が豊富なところを選ぶようにしましょう。
前歯だけの部分矯正をご検討されている方で、詳しく知りたい方は、こちらのプチ矯正(前歯だけの部分矯正)のページもご覧ください。
マウスピース矯正
矯正治療をご希望の方の中には、「仕事柄、矯正装置が目立つのは困る」という方もおられるかと思います。そうした方は、マウスピースを使用した矯正治療を行っている歯医者を選ぶようにしましょう。マウスピース矯正とは、薄くて透明なマウスピースを定期的に交換していくことで、歯をゆっくり確実に動かしていく方法です。装着しても装置が目立たないので、受付や営業職など、人前で話をする機会が多い方でも安心して治療が受けられます。また、マウスピース矯正には「痛みなど、装着時の違和感が少ない」「取り外し式なので、矯正治療中も口腔内を清潔に保つことができる」などのメリットもあります。
マウスピース矯正をご検討されている方で、当院の治療について詳しく知りたい方は、こちらの見えない矯正治療(マウスピース矯正)のページもご覧ください。
ホワイトニング
ホワイトニングで歯の変色を改善して、白く美しい歯を手に入れたいとお考えの方は、ホワイトニングの実績が豊富で、アフターフォローが万全な歯医者を選ぶようにしましょう。ホワイトニングではごく稀に、知覚過敏などのトラブルが起こる場合があります。そうした場合でも迅速かつ適切に対応してくれる歯医者であれば、安心して施術を受けることができます。また、ホワイトニングには「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」の2種類があり、それぞれにメリット・デメリットがありますので、施術内容について詳しく説明してくれるかどうかという点もポイントとなります。
歯周病
歯周病は一度罹患すると完治させることはできない病気ですが、適切な治療を受けることで症状を改善させたり、抑制したりすることは可能です。なので、歯周病の治療を受けられる方は、歯周病治療の経験・知識が豊富な歯科医師のいる歯医者を選ぶようにしましょう。また、レーザー治療器や高周波治療器などの最新機器を使用することで治療効果を高めることが可能ですので、こうした機器が導入されているかどうかもチェックするようにしましょう。
歯周病で悩まれている方または、歯周病かもと思われている症状がある方で、より詳しく知りたい知りたい方は、こちらの歯周病のページもご覧ください。
根管治療
精密かつレベルの高い根管治療を行うためには、マイクロスコープが欠かせません。なので、根管治療を受けて大切な天然歯の保存をはかりたい方は、マイクロスコープが導入されている歯医者を選ぶようにしましょう。これまで根管治療は歯科医師の勘や経験などの不確定な要素に頼る部分が大きかったのですが、マイクロスコープにより正確な治療が可能となります。ただし、マイクロスコープの操作には熟練が求められますので、専門的なトレーニングを受けた歯科医師がいるところを選ぶようにしましょう。そうした歯医者であれば、よりレベルの高い治療を受けることができます。
虫歯が進行して歯の神経まで達してしまった方で、根管治療についてより詳しく知りたい方は、こちらの根管治療のページもご覧ください。
咬み合わせ治療
咬み合わせが悪くて上手くものが噛めなかったり、ブラッシングが行いにくくて虫歯などの病気になりやすかったりするほか、顎関節症、全身のバランスの崩れからくる肩こりや頭痛などでお悩みの方は、咬み合わせ治療を積極的に行っている歯医者を選ぶようにしましょう。その時、咬み合わせ治療の経験・知識が豊富かどうか、上下の顎の理想的な位置や咬合接触部位などを検査することができる、最新検査機器を導入しているかどうかなども大切なポイントとなります。
咬み合わせ治療について、より詳しく知りたい方は、こちらの咬み合わせ治療のページもご覧ください。