奥歯のセラミック

奥歯もオールセラミックで美しく

費用を抑えるために「人目につきやすい前歯にはセラミックを入れ、奥歯には銀歯を入れる」という方もおられますが、これは必ずしも賢明な選択とは言えません。前歯と比べて奥歯は人目につきにくいと言っても、口を開けて笑った時に銀歯の金属色が目立ってしまう場合がありますし、銀歯によって金属アレルギーが引き起こされてしまう危険性があります。なので、奥歯であっても、審美性が高く、体に優しい歯科素材であるセラミックを入れられることをおすすめします。そして、奥歯は他の歯と比べて噛む力が強いため、オールセラミックのうち最も強度が高い「ジルコニア」がおすすめです。

アマルガムのリスク

アマルガムとは、1970~80年代ごろに虫歯治療において多く使用された歯科素材で、水銀を約50%含む金属です。アマルガムに含まれる水銀が唾液によって溶出して、口腔内の粘膜や消化管などから体内に吸収されてしまうと金属アレルギーが引き起こされることがわかっているため、歯科医療先進国であるスウェーデンやドイツなどでは、数十年前より使用が禁止されていますが、保険が適用されるため、現在でも歯科医院によっては使用しているところもあると言われています。アマルガムによる金属アレルギーは、痒みや湿疹などの皮膚のトラブルだけでなく、肩こりや頭痛などの不定愁訴を引き起こす危険性があります。そして水銀が蓄積することで、心臓、腎臓、脳などにもダメージを与えることがあるほか、妊婦様の場合、胎児にも影響をおよぼす危険性があるとされています。このように、アマルガムはお体に様々な悪影響をおよぼす場合がありますので、できるだけ早く口腔内から除去して、オールセラミックなどの生体親和性に優れた「体に優しい歯科素材」に取り換えることをおすすめします。

金属アレルギーを引き起こす危険性がある歯科素材

保険適用となる歯科素材
  • アマルガム
  • 金銀パラジウム合金
  • ニッケルクロム合金
  • 銀合金
自費診療の歯科素材
  • 金合金
  • チタン

「なかなか治らない皮膚の痒み」は金属の歯科素材が原因かもしれません

皮膚科などで治療を受け続けても、痒みなどの症状がなかなか治らない場合には、口腔内に入れた金属製の歯科素材による金属アレルギーを疑う必要があります。金属アレルギーとは、金属に接触することで体内の免疫細胞がアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に抵抗しようとして起こる反応のことで、主な金属アレルギーの原因としてピアスやネックレスなどのアクセサリー類が挙げられます。しかし、金属アレルギーはアクセサリー類だけが原因で起こるものではありません。口腔内に入れた金属製の歯科素材が原因で起こる場合があります。特に、口内炎、味覚障害、しびれ、痛み、ただれなどのトラブルが口腔内で起こっていれば、金属製の歯科素材により金属アレルギーを疑う必要があると言えます。

オールセラミックに取り換えることで症状が改善できる場合があります

金属アレルギーは少しずつ体内に蓄積されて起こるものなので、すぐにアレルゲンが特定できなかったり、口腔内以外でも症状が起こるため、金属製の歯科素材が原因であると気づきにくかったりしますが、症状を放置するとお体に深刻な悪影響をおよぼす危険性がありますので、なかなか治らない症状でお悩みであれば、一度当院にご相談ください。適切な診査・診断の結果、口腔内の金属製の歯科素材が原因であると判明した時には、金属を一切使用していないオールセラミックなどの体に優しい歯科素材に取り換えることで、症状が改善できる場合があります。

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